おたくのスタジオ

白色相簿2摘抄

1、いつ泣き出すかもしれなかった空は、ちょっとだけ意地を張り、その涙を冷たい風で凍らせた。

2、その騒がしさをかき消すように、空から降りてくる粉雪は、ますますその数を増やしていく。

3、具体的には、今飛び立っていくあの飛行機を、絶対に視界に収めないために。

4、いつも、俺たちの分岐点に現れて、辛いこと、哀しいことを覆い隠すように、雪が、降り積もる。

5、一度、最低の裏切りをしてしまった相手だから。もう、ずっと最低を貫かなくちゃならないから。

6、俺の胸に回され、しっかりと握りしめられた両手の強さ。

7、彼女が純粋であればあるほど、自分の罪深さに押し潰される。

8、こんなに優してくれて。。。精一杯、我慢して背伸びして許して、自分の中のしこりを、俺のために全部抑さえ込んで。

9、悲しさのあまり、あなたがわたしを受け入れてるって、最低の思い込み、しちゃうよ?

10、一度解けたら、そうやって隠していた事実を、忘れていた想いを、もう一度白日の下にさらす。

11、仲間割れだよ。空中分解だよ。電撃解散だよびっくりだ。

12、毎年仲間内だけで寄り集まって、自己陶酔の小難しい曲ばっか演奏しやがって、俺らを違い意味で夢の世界にさそってくる奴らだぞ?

13、楽しんだもの勝ちってことわかってないんだよ。毎年毎年コンクールみたいにピリピリしやっがて。

14、何のために学校園生活だよ。若いうちしかできないことってあるだろ?

15、噂では芸能界入りを狙ってるらしく、そのため今年のコンテストに賭ける意気込みは、並々ならぬものがあったようで。

16、彼女の加入を快く思わないメンバーを、なりふりかまわない手段で懐柔して、全員を自由自在に操ろうと画策していた。

17、まさに懐柔という言葉がぴったり来るくらいにやわらかそうだった。

18、足下見られて散々こき下ろされた挙句断られるか、一言の下に切って捨てられるかどっちかだろうな。

19、お前におんぶにだっこで全部丸投げしようとしてた俺が馬鹿だった!

20、誰も聞いていないのをいいことに、盛大なため息をついた。

21、どういう風の吹き回しだ?

22、それには同意せざるを得ないな。

23、そんな反社会的な伝統に限って、絶えることなく脈々と受け継がれるのはこの世の常で。

24、秋深し 隣はなにも しない人